全般発作
全般発作とは、脳波の異常が大脳の全体に広がる発作のことです。
また、全般発作がみられるてんかんを特に全般てんかんといいます。
発作が脳全体で同時に広く起こります。けいれんは左右対称であることが多いです。程度の差はありますが、発作が始まると意識が失われます。
全般発作には以下のような種類があります。
欠伸発作(けっしんほっさ)
欠神発作とは、突然意識を失い、20秒〜30秒後に意識が戻ってくるかのように終わる発作です。特にこどもに多い症状です。
突然、力が抜け、ぼんやりとして、声をかけても反応しません。意識がなく、発作中のことは覚えていません。
ぼんやりしているだけでなく、わずかに前傾姿勢をしていたり、まぶたが細かく震えていることもあります。
こどもに多い発作であることから、注意がそれているのではないか、白昼夢を見ているのではないかなどの行動異常と間違われることがあります。
ミオクロニー発作
ミオクロニー発作とは、両手や両足が突然ピクンと反応してします発作です。
もし手に何か持っていれば、飛ばしてしまうほど力が入ってしまうことがあります。
全般発作に分類されることから、発作中の意識はありません。
いつの間にか周りの人を叩いてしまったりすることがあります。
強直発作
全身が硬直するけいれんを起こします。
意識を失い、発作中は呼吸が止まり、手足をグっと突っ張った感じの発作を起こします。
発作が起こりやすいのは、寝入りばなや眠りから覚める瞬間、または少し気持ちがホットした瞬間などです。
てんかんの患者はお風呂に入るときなど、発作が起こってしまうことがあります。
その他、電車に乗った瞬間、家についた瞬間など強直発作が起こりやすくなります。
強直間代発作(きょうちょくかんたいほっさ)
間代とは、全身がガクンガクンとするけいれんのことです。
強直発作に続いて間代発作が起こるため、強直間代発作という名前がついています。
発作には前兆がなく、急に意識を失って、手足が突っ張り、重々しい声を出して倒れます。
その後、ガクンガクンとかピクピクといった感じで、体の一部、特に手足がけいれんします。
ガクガク→ガクンガクンといった感じで発作の形が変わります。これが硬直発作から間代発作に変わった瞬間です。
この間代発作が、数秒から1分弱くらい続いてようやく終息し、これが1回の発作と捉えられています。
発作後もうろう状態
たいていは、発作の後、1時間くらいの睡眠に入って回復することが多いのですが、場合によっては、発作のあとに、
- うろうろ動きまわる
- 無意識に体を揺さぶる
- 唾液がずっと出ている
などのもうろうとした状態が続くことがあります。
これを発作後もうろう状態といいます。周りの人は怪我をしないように落ち着くまで見守ることが望まれます。
脱力発作
立っている、あるいは座っている時に、急にグニャッと体の新が抜けたかのように地面に倒れこんでしまう発作です。失立発作ともいいます。
子供に多く現れます。
重積発作(じゅうせきほっさ)
連続して起こる発作のことです。
1回の発作が相当長く続いたり、発作が何回も繰り返され、発作後、回復しないまま、次の発作がくることを指します。
強直間代発作の重積発作の例が多いですが、その他の発作型でも見られます。
このような重積発作状態になったら、ジアゼパムやフェニトインなどの静脈注射を行います。
大切なのは、重積発作になる可能性のある患者の場合、重積発作状態になったら、何の薬をどのタイミングで服用するのか、もしくは救急車を呼ぶのかなどの対処方法を、事前に主治医と確認しておくことです。
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