原因によるてんかんの分類
てんかんは、原因がわかるものと、はっきりとは断定できないもので2種類に分類されます。
- 大脳に何らかの病変があるもの→「症候性てんかん」
- 病変がはっきりしないもの→「特発性てんかん」
病変・・・病気の過程であらわれる生体の局所変化のこと
症候性てんかんの病変には、
- 頭部外傷
- 脳の先天性奇形
- 出生時の低酸素状態
- 脳腫瘍
- 脳卒中
- 脳炎
などさまざまあります。発症時期によって出現率が変わってきます。症候性てんかんは全体のおよそ3割と言われています。残りの7割が特発性てんかんとなります。
しかし、どちらに診断されても両者はかなり重なる部分が大きいです。
実際には原因は把握できないために、特発性てんかんに見えるけれども本質的には症候性てんかんであると診断されるものを「潜因性てんかん」として分類することもあります。
最終的に分類しかねる場合も往々にしてあります。
症状によるてんかんの分類−てんかん発作とてんかん症候群
症状の現れ方によって、「てんかん発作」と「てんかん症候群」に分類されます。
てんかん発作
てんかん発作とは、大脳にあるニューロン(神経細胞)から異常な電気反射があって体に反応が出るものです。これはあくまで、てんかんという病気の一つの症状を言います。
てんかん発作の定義は、「繰り返しほぼ同じ症状をもって現れる脳起源の発作」です。
てんかん発作について、症状を紹介していきます。大きく、部分発作と全般発作に分かれていて、発作の範囲や起こり方によって、さらに細かく分類されています。
てんかん症候群
てんかんという病気自体には他にもいろいろな症状があり、それらが合併することもあり、その範囲はとても広いと言えます。
てんかん症候群とは、発作の組み合わせ方によってある特色があるものに、「○○症候群」と名前を付けたものです。
てんかん症候群の正式な定義は、
「常に随伴して起きる徴候および症状の組み合わせ―発作型、病因、誘発因子、発病年齢、重症度、慢性度、および概日周期、時に予後―によって特徴づけられる」とされています。
診断ではこれらのことを細かく見ていきます。病気の予後や薬の効果、経過、その他の障害などの予測ができるようになるからです。
同じような発作を持っている人がいれば、その人と同じような経過をたどることが多いと考え、将来の計画も立てやすくなるわけです。
てんかん症候群には、ウエスト症候群やレノックスガストー症候群、乳児重症ミオクロニーてんかんなど、数多くが存在します。
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