てんかんの画像診断
てんかんの診断にあたり、画像診断が行われることがあります。脳にてんかんの原因となる器質的な問題がないかどうかを調べます。
脳に何らかの器質的病変があると疑われる場合には画像診断を行います。器質的病変には、脳腫瘍、脳奇形、脳炎、頭部外傷や脳卒中後の傷跡などがあります。
画像診断の種類には以下のようなものがあります。
CT
CTとは、X線による脳の断層画像をコンピュータによって再構成したものです。
脳の萎縮や脳腫瘍、脳血管病変、脳の奇形など、器質的な異常が存在するか否かを判定します。
X線を使うため何度も検査を受けるわけにはいきません。
MRI
MRIとは、核磁気共鳴現象によるスペクトルを画像化したものをいいます。
CTと違ってX線を使わないので繰り返し受けることができます。
ただ、検査時間が長く、撮影の間静止していないといけないというデメリットがあります。
SPECT
SPECTとは、体内に放射性医薬品を投与して、脳まで達した医薬品から出てくる放射線を、一定時間単位で測定し、360度断面上で繰り返して、医薬品の分布を画像として表したものです。
手術前の病状の把握や確定診断、予後の推測などに重要な情報となります。
てんかんでは脳の機能に変化が現れるために、病変部や病変部と関係する領域に、脳の血流や脳の代謝の変化が見られます。こうした変化を捉えるための診断です。
PET
PETとは、ポジトロン(陽電子)を放出する放射性医薬品を注射し、その体内分布をカメラで映像化する診断です。
MEG
脳が活動するときには、非常に小さな磁場が発生します。MEGとは、このわずかな磁場をセンサーで記録し、図に表して、診断するものです。
脳波検査と違って、電極を頭皮上に貼りつける必要がありません。