てんかんの脳波検査
てんかんの診断をするにあたっては、脳波検査が行われます。脳の電気活動を調べ、てんかんにおける特徴的な異常波形が現れないか調べます。
脳波とは、脳の中で起こっている電気活動を体外に導き出して、目で見てわかりやすく記録したものです。てんかんの場合は、脳波に異常な波形が記録されることがあります。
脳波検査を行う理由
てんかんと診断される大前提は、発作の存在と脳波異常の2つです。そのため、脳波検査はてんかんの診断においてとても大切です。電気活動の波形から、脳の機能的な異常、器質的な障害が明らかになるので、てんかんの診断に大変役立ちます。
脳波検査の仕方
シールドルームと呼ばれる電波などを一切通さない部屋で行われます。
頭に21個の電極を付け、ベッドに仰向けに寝て、次のような状態で脳波を記録します。
- 横になって起きているけれど目は閉じている状態(安静覚醒閉眼時)
- 目を開けたり閉じたりする状態(開閉眼試験)
- 目を閉じている状態でランプを点滅させる状態(閃光刺激)
- 目を閉じている状態で1分間に20〜30回の割合で深呼吸する状態(過呼吸)
- 寝ている時の状態(睡眠)
これらの試験は1時間ほどで終了します。しかし、小さな子供だったり、初めて検査を受けるために緊張してしまったりして、なかなか自然に睡眠の検査ができない場合は、時間を長く取ったり、睡眠導入剤を使ったりします。
注意事項
脳波検査を受けるにあたって、次の点に注意しましょう。
- 前もって検査の目的や手順を理解しておき、緊張や不安を取り除く。
- 少し睡眠不足の状態で受ける。(てんかん性の異常波が出やすくなるため)
- 頭髪はよく洗い、整髪料はつけない。
- 検査前に排便を済ませる。
- 検査後、電極を装着するためのペーストをよく拭き取る。
長時間集中監視法
1時間程度の脳波検査では、データとしては不十分な場合があります。
その場合は、脳波像と発作症状を同時に記録し、両者を1つの画面に合成してVTRに記録します。これを長時間集中監視法といいます。
この方法を行うと、どのような脳波がどのような発作として現れるのかが一目でわかるようになります。