てんかんの問診
てんかんの診断は慎重に行われます。なかでも問診はとても大切です。
医師は時間をかけて問診を行い、症状や既往歴、家族歴などを質問します。
また、てんかん発作時の状況なども聞かれますので、答えられるようにしておきましょう。
スマートフォンなどで発作時の様子を動画撮影したものを用意しておくと、貴重な情報になります。
てんかんの問診で聞かれること
てんかんの問診では、「一般の病気と同様の情報」と「てんかん発作の状況」を聞かれます。
一般の病気と同様の情報
一般の病気と同様の情報としては、次のようなことを聞かれます。前もって答えられるようにしておきましょう。
- 家族歴(家族構成や家族に同じ病気の人がいるか等)
- 既往歴(今までに大きな病気や怪我をしたことがあるか等)
- 現病歴(今回の症状がいつからどんなふうに起こったのか等)
- 生活歴(普段の生活の仕方、生まれてからどんなふうに育ってきたのか等)
てんかん発作の状況
てんかんの発作の有無や発作時症状、発作間欠期の症状を聞かれます。
また、普通の病気ならば患者本人から話を聞くのですが、てんかんの場合、発作中のことは、患者本人が覚えていないことが多いため、てんかん発作を目撃した第三者に様子を聞く必要があります。つまり、発作を目撃した患者の家族や職場の同僚も、問診の対象者となります。
発作の有無と発作時の症状
まず、患者本人が把握している症状(自覚的症状)について聞かれます。
次に、発作中は本人の意識がないことが多いため、第三者から見た発作中の様子(他覚的症状)について聞かれます。
それ以外に次のようなことを聞かれます。
- 最初に発作が出たのはいつだったか(初発年齢)
- 発作はどれくらいの間隔で起こるか(頻度)
- 発作の出やすい時間帯はあるか(出現時間帯)
- 発作を引き起こしやすくする原因はあるか(誘因)
- どのようなときに発作が起こりやすくなるか(状況)
発作間欠期の症状
発作間欠期というのは、発作と発作の間の時間のことです。
その時期にも、発作こそ起こっていないものの、てんかんの影響による特徴が出てくることがあります。
例えば、知能の変化、人格の変化、その結果としての社会適応の程度の変化などがあります。
発作だけがてんかんの症状ではありません。発作が起こってない時になにか変化がないか、本人や第三者が聞かれます。