てんかんの症状・診断・治療

てんかん発作の介助方法

発作の型にあわせた適切な介助方法を解説します。
介助の仕方によっては、本人や介助者がけがをしてしまう可能性もゼロではありません。
適切な介助方法のポイントを押さえておきましょう。

 

単純部分発作の場合

発作時、意識がはっきりしています。特別な介助は必要なく、そばで見守ってあげてください。
単純部分発作の症状

 

複雑部分発作の場合

発作時、意識が曇っていることが多いです。危険な場所であれば、転倒しないように気をつける必要があります。
また、意識が回復するまでは、一定の距離をとって本人の様子を観察します。
複雑部分発作では、自動症が見られることがあるため、周囲から危険なものを取り除いておく必要もありです。

 

発作が治まった後、20〜30分、稀に数時間にわたって、、もうろう状態が続くことがあります。
「ここはどこですか?」「今日は何日ですか?」などの質問をして、意識が回復したことを確認してから平常の生活に戻ってもらいましょう。
複雑部分発作の症状

 

欠神発作の場合

発作が始まってから、数秒から数十秒、ぼーっとした状態が続きます。
発作が治まった後は、もとの生活に戻って大丈夫です。
欠神発作の症状

 

強直間代発作の場合

突然、意識がなくなり、強直けいれんと間代けいれんを起こす全身発作です。
まずは、床に横になるように寝かせます。
けいれんが強い場合は、頭を床に打ちつけないように枕などで保護します。

 

また、ものすごい力で歯を食いしばりますので、口の中にハンカチやタオルを入れようとしたり、指を入れたりはしないでください。
ちぎられるほどの力が入ることもあるので、とても危険です。

 

多くの薬を飲んでいたり、長年服薬していたりすると、人によっては皮膚がとても弱くなっている場合があります。
大きなけいれんの際に、手足を床にこすらせたりして、出血してしまうこともあるでしょう。
タオルや毛布などでカバーしてあげる事が必要です。

 

気道を確保するために、あごを強く上に押し上げることも必要です。
けいれんが終わって大きく息を吐いたら、あごを押し上げたまま、顔を片側に向けさせます。
これは、吐瀉物による窒息を防止するためです。

 

発作が治まった後、ほとんどの人が睡眠に入ります。
静かに休み、意識がはっきりすれば、もとの生活に戻って大丈夫です。
強直間代発作の症状

 

 

発作時にしてはいけないこと

  • 無理に押さえつける(かえって運動を増幅させる場合があるため)
  • 身体を大きく揺する
  • 叩く
  • 大声で話しかける
  • 口の中に指を入れる

 

発作が治まった後に気をつけること

  • 発作後、口から血が出ていることがありますが、たいてい口の中を切ってしまった場合が多いです。冷静に対処しましょう。
  • もうろう状態の時に安易に水や薬を飲ませないでください。窒息や嘔吐の原因になりえます。

 

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