てんかん 症状

部分発作

部分発作は、単純部分発作と複雑部分発作に分かれます。

単純部分発作

単純部分発作の主な症状を紹介します。

 

運動発作
  • 手や顔の一部が、意識しないのにピクピク動いたり、ひきつったりする。
  • 最初に体の一部がピクピクして、それが次第に全身に広がっていく
  • 目や頭が片方に強く回転する。
  • 勝手に声が出てしまう。

 

感覚発作
  • 身体の一部分に、ピリピリとするような感じがある。
  • 見えるはずのないものが見える。
  • 見えていたものが見えなくなる。
  • 聞こえないはずの音が聞こえてくる。
  • 奇妙な匂いがする。

 

自律神経発作
  • 嘔吐感がある。
  • びっくりしたときのような胸の締め付けがある。

 

精神発作
  • 言いたいことがわかっているのに、言葉が出てこない。
  • 言われている言葉の意味が突然分からなくなる。
  • ずっと前に見た光景がよみがえってくる。(既視感)
  • 夢を見ていたような気になる。
  • 急に言いようのない恐怖を感じたり、不安な気持ちになる。
  • 見えているものが遠く小さく見えたり、反対に近く大きく見えたりする。

 

これらの症状は全て単純部分発作によるものですが、どの症状にも共通するのは「意識がある」ということです。
つまり、発作中の様子を後で話すことができます。

 

また、発作の影響から不安感や恐怖感が生じることもあります。
しかし、それが、脳の部位による発作なのか、次の発作に対する不安や恐怖なのかは、ケース・バイ・ケースといえます。

複雑部分発作

単純部分発作の症状に続いて、だんだん意識が曇ってくる場合があります。
そういった症状を複雑部分発作と言います。
発作中意識がなく、自分では気づかない行動をしてしまうことがあります。これを自動症と言います。

 

自動症の症例です。

  • 口をモグモグする
  • 衣服をつまむ
  • ふらふらと歩き出す

 

複雑部分発作には、個人によって次のような前触れがあります。

  • 顔がこわばる
  • 一点を凝視する

 

発作後には次のような状態になることも多いです。

  • もうろう状態
  • 興奮状態

そのため、周りからは酔っているとか、薬の副作用で興奮していると誤解されることもあります。

 

二次元全般化発作

部分発作後、全身がけいれんして、大発作になることがあります。
部分発作が引き金で二次的に発作が起こるために、これを二次元全般化発作といいます。
例えば、頭が片方に傾いてきて意識を失い、手足を突っ張ってガクガクするという場合、前半が複雑部分発作で、後半が全般発作であるため、二次元全般化発作となります。

 

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