てんかんの症状・診断・治療

【体験談】てんかんの治療

 てんかんとは、脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動(てんかん放電)のため、てんかん発作を起こす疾病あるいは症状のことをいいます。脳の中で神経細胞は、電気信号でお互い連絡しあい常に調和がとれた活動をしていますが、何らかの拍子でその調和が乱れてしまうと、意識を失ってしまったり、身体を大きくガクンガクンさせるような痙攣を起したり、急に動きが止まったりといった症状が現れます。このような発作を繰り返し起こすことをいいます。
 私は今までに1度、このてんかんの発作を間近で見た経験があります。いつものように、仲良しのご近所さんのお宅でお茶をしながらおしゃべりしていた時に、そこの息子さんがてんかんの発作を起こしました。二階でドスンと何かが落ちたような大きな音がして(本棚でも倒れたような)、何をやらかしかのかとお母さんが見に上がると、息子さんが倒れていました。お母さんの叫び声で、二階の子供部屋に上がると、高校三年生になる息子さんが痙攣した状態で、意識を失くして床に倒れていました。
 すぐに119番をし、近くの市民病院に搬送されました。まず病院では、症状が起きた時のことを私たちに細かく質問しました。発作が起きた状況や時間、発作の持続時間、意識が保たれていたかなどについて聞かれました。その時には、もう息子さんの痙攣は収まっていました。
 それから、頭に電極をはって脳波検査を受けました。これにより脳内の電気信号の乱れを検出するのだそうです。血液検査もありました。血液中のナトリウムやカルシウムが減少すると、痙攣が起きやすいそうです。
 処方されたのは内服薬でした。てんかんの治療は、内服薬を適切に飲み、生活習慣を良好に保てば、ほとんどの人が発作がおきることはないと説明されました。一般的にてんかんの治療は、内服治療が中心で、1種類の内服薬で治療するそうです。これでうまくコントロールできない場合には、複数の内服薬を使用して、それでもコントロールできない場合には、手術による治療が行われるようです。
 幸い、息子さんの発作は、その1回限りです。原因としては、試験前だったからだと考えられます。睡眠不足やストレスや疲労がある時に、発作が起きやすいそうです。受験生でもあり、志望校の合格ラインぎりぎりだと言われていたため、後1段階アップのために今度の試験に賭けていたそうです。試験勉強は余裕をもって計画的に行わないといけないと痛感したそうです。

 

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