てんかん発作の誘因
てんかん発作を誘発する原因や刺激(誘発因子)には、特異性発作誘発因子と非特異性の発作誘因に分けられます。
あらかじめ誘発因子が分かっていれば、その原因を回避することで、発作の回数を減らせるかもしれません。
過労や飲酒、睡眠不足などといった生活の乱れも、てんかん発作のきっかけになります。
特異性発作誘発因子
てんかん発作を持つ人に対してのみ作用する誘発因子を「特異性発作誘発因子」といいます。
このような誘発因子によって反射的に起こる発作を「反射発作」ともいいます。
感覚性
- 光―格子越しの光やチェックの洋服などを見つめる・・・『光感受性発作』
- 音―門扉の開閉音、大きい不意の物音やかけ声
- 身体接触、入浴、予期しない人や物との接触
運動性
- まぶたの開閉
- 体幹や手足の運動
精神活動性
- 読書や書字(ものを書くこと)、計算
- 意思決定や精神的な過度の緊張
- 特定の食事や遊び
光の感覚性によって起こる発作を、特に光感受性発作といいます。
光感受性発作は、特異性発作誘発因子による発作の中でも、特に多い発作です。
テレビやディスプレイのチカチカした光、木漏れ日、水面、ゲレンデなどを見ることによって発作を起こします。
以前、テレビアニメのフラッシュ効果を見て、こどもたちがてんかん発作を起したという事件がありましたが、それはこの光感受性発作によるものです。
非特異性の発作誘因
「てんかんに限らず、このような条件が揃うと、場合によっては発作が起こりやすくなる」という条件を、非特異性の発作誘因といいます。
非特異性の発作誘因には次のようなものがあります。
- 過労
- 睡眠不足、覚醒や睡眠リズムの乱れ
- 体温上昇
- 精神生活上の問題、ストレス、過度の緊張や低下
- 身体的な問題、疲労、急激な運動、不得手な運動
- 飲食物や嗜好品の偏り(水分過飲、香辛料、栄養)
- 抗てんかん薬の急激な変更や中断
- 飲酒
- 向精神薬や抗うつ薬、酒精剤の急な中断
- 酸素不足
- 血糖やカルシウムの低下
例えば、仕事で疲れて、家に帰った途端に倒れて発作が起こることがあります。
睡眠不足や疲労、そして家に着いてホッとした安心感から発作に至るケースはとても多いです。